「社内でファイルの受け渡しをするために、共有フォルダを使いたいけど作り方が分からない…」といったIT担当の方に対し、共有フォルダの種類や作成方法についてご案内します。
共有フォルダの種類
共有フォルダは使用する機器やサービスによって作り方が異なります。この章では、共有フォルダの種類とそれぞれのメリット・デメリットについてご紹介します。
業務用のパソコン(Windows)
共有フォルダを一番手軽に作るのであれば、Windowsのパソコンを利用した作成方法がお勧めです。余っているパソコンがあれば、それを共有フォルダ用に設定することができます。
ただ、余分なPCがない場合は別で用意するか、誰かが使用しているパソコンで設定(あまりお勧めはしません)するしかありません。また、後からの容量追加についてはある程度のITスキルが必要です。
NAS(共有フォルダー専用の機器)
共有フォルダー用に設計されたNAS(Network Attached Storage)で作ることも可能です。NASはデスクトップPCのような形で、スペックにもよりますが安ければ1~2万円で購入できるため、パソコンが余っていない場合はNASを購入した方が良いです。
NASで共有フォルダを作る際のデメリットとしては、パソコンとは少し異なる操作感であるため、扱いが少し難しくなります。また、NASごとに機能が異なるため、必要なスペックを自身で判断する必要もあります。
クラウドサーバー(AWSやAzureなど)
外部のクラウドサーバーを活用して、共有フォルダを作ることも可能です。クラウドで作ると、自然災害などで事務所の機器が壊れデータが消失してしまうリスクに備えられます。その他、盗難などの観点からも最近は共有フォルダをクラウドに置くのが主流です。
ただ、クラウドで共有フォルダを構築するには専門の知識・スキルが必要となるため、外注することになるかと思います。
外部サービス(DropBoxなど)
各ベンダーが提供している共有フォルダを利用する方法もあります。サービスごとに独自の機能(バックアップなど)があります。ただ、Windowsのエクスプローラー(下記参照)から利用できないケースがほとんどなので、普段のファイル共有用ではおすすめしません。
※ Windowsのエクスプローラー(よくある共有フォルダは、ここからファイルを編集したり、移動させたりするかと思います。
共有フォルダの作り方(Windows10 PC版)
ここでは一番手軽なWindowsのパソコンを使用して共有フォルダを作る方法についてご案内します。
【動画】共有フォルダの作り方(Windows10)
PCがない場合は事前に購入しておきましょう。Windows10でHDD・SSDが500GB以上(用途による)のノートPCを選べばそこまで問題ないでしょう。また、PCに詳しくない方は少し高くても、以下の様な正規代理店から購入した方が無難です。
① 共有フォルダを作るパソコンで、共有フォルダとして使いたいフォルダを作成し、右クリックして「アクセスを許可する」>> 「特定のユーザー」の順に選択
② 「共有」を選択
③ 表示された共有フォルダの文字列を確認し「終了」を選択
以上で共有フォルダ側の設定は完了です。
共有フォルダへの接続方法
続いて別のパソコンから共有フォルダへ接続する方法についてご案内します。
① エクスプローラーのネットワークから、共有フォルダ作成時に控えた文字列と同じコンピューターを選択
② 以下の認証画面が表示されたら、共有フォルダを設定したパソコンにログインする際のユーザー名とパスワードを入力し、資格情報を記憶するにチェックをつけて「OK」を選択
③ 対象のフォルダが表示されるので選択
④ 共有フォルダ内へアクセスが完了
以上で共有フォルダへの接続が完了しました。次回以降、このフォルダ内に保存したデータは接続したパソコン間で共有できます。
ショートカットの作成方法
毎回、ネットワークから共有フォルダへアクセスするのは面倒なので、デスクトップにショートカットを作成しておくと便利です。ここでは共有フォルダのショートカット作成方法についてご案内します。
① 表示された「共有」のフォルダを右クリックして「コピー」を選択 ※ 「Ctrl + C」のショートカットコマンドでも可能
② デスクトップで右クリックし、「ショートカットの貼り付け」を選択
③ デスクトップにショートカットが作成される
以上で作成は完了です。次回以降はデスクトップのショートカットから共有フォルダへアクセスできます。
運用における注意事項
上記の方法は最低限の設定内容であるため、社内で本格的に使用する共有フォルダとしてはお勧めできません。また、本来は社員ごとにアクセスできるフォルダを制限するなど、細かい設定もあった方が良いです。より高セキュリティーかつ、ユーザー毎のアクセス制限に対応した共有フォルダを構築されたい方は、詳しい方に作ってもらうのが無難です。